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王様の馬券入門虎の巻
田端 到

2008/05/07 17:00
その25 内差しのできる血統

 東京競馬場はしばしば内を通った馬しか伸びないコンディションになります。
 たとえば青葉賞でニシノエモーションを買った人は、そんなに外を回ってどないすんねん!と競馬新聞を叩きつけただろうし、フローラSでシングライクバードを買った人も、同じ思いをしたでしょう。どちらも勝ち馬は直線で内目を突いた馬でした。
 なかにはスイートピーSのアロマキャンドルのように、大外後方一気を豪快に決めた馬もいますから、内しか伸びないと言うほど極端ではないけど、あれも「スローで母父サンデーサイレンスだから」とするならば例外みたいなものです。

 そこで重要になるのが、イン差しのできる血統と、外を回ったほうがいい血統という区分です。
  イン差しのできる血統の代表格は、フジキセキです。昨年のヴィクトリアマイルを快勝したコイウタは東京マイルの内を突きました。06年のNHKマイルCで2着に来たファイングレインも最内を突きました。東京でインを突いた馬が伸びるようになって以降、フジキセキ産駒の成績は飛躍的に上がったのです。
 フジキセキと対照的に、東京コースの成績を落としたのがトニービンでした。こちらは外を回ったほうがいい血統の代表格です。
  外を回って伸び伸びと加速させることで能力を発揮する血統だったからこそ、もともとトニービンは直線の長い東京が得意だったのに、競馬場が改修されてからは苦難が続きました。晩年のトニービン産駒が、東京で鮮やかな勝ち方をした例は思い浮かびますか?
 
 例が古いですね。今さらトニービンじゃ話になりません。外を回ったほうがいい血統というと、フォーティナイナーやエンドスウィープもそうです。これも微妙に古いか。おじちゃん困ったな。エンドスウィープの代表産駒スイープトウショウも、東京では外が伸びる馬場のときだけ届き、内が伸びるときは届きませんでした。
 それからダンスインザダーク産駒の不発が増えたのも、内が伸びる馬場コンディションと大いに関係あるはずです。

  さてここから、NHKマイルCは本命アサクサダンディ(父フジキセキ)という結論に持ってくる予定だったのですが、回避してしまいました。残念。
 アサクサダンディはニュージーランドTで内を突いて前が詰まっていましたが、あれも本番でイン差しをするための、安藤勝己の思慮深い予行演習だったのではないかと見ていたのに。
  ならば残った馬からイン差しの得意な血統を探すと、メジロライアン、アグネスタキオンあたりでしょうか。アグネスタキオン産駒は06年のロジックが内を突いて優勝しています。

 今年、アグネスタキオン産駒にはディープスカイがいます。毎日杯を快勝して有力馬の一角。しかし、この馬の鞍上は外を回るのが得意な騎手です。
 果たして当日の馬場コンディションや、いかに。そして内を差す騎手、外を回す騎手はいったい誰なのか。必ずしも外を回ること=悪ではないけれど、内しか伸びない馬場で外を回るなら見る者を納得させて欲しい。
 少なくともレース後の談話で「今日は外を回ったぼくの馬に展開が向かなかったね」と、しゃあしゃあと語るような騎手の馬券だけは買わないよう気をつけたいと思います。
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