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王様の馬券入門虎の巻
田端 到

2008/05/14 17:00
その26 牝馬戦に強い血統

 前回、内差しのできる血統としてアグネスタキオンの名前を挙げつつ、ディープスカイについて「鞍上は外を回るのが得意」と書いてしまいました。
 鮮やかに内から抜け出したNHKマイルCのレース振りに、「失礼いたしました」と詫びるべきなのか、「やればできるじゃん」と上から物を言えばいいのか。それとも、やっぱり内を突いた馬が勝ち、伸びない場所を通る騎手が山ほどいたことに落胆すればいいのか。
 今のG1はロスなく立ち回れる脚がとても重要です。サンデーサイレンス時代に比べて「トライアル向きの馬」と「本番向きの馬」が逆転している印象さえ受けます。

 極端な言い方をすれば、かつては。
・トライアル…スローを好位から差す一瞬の脚が必要。フジキセキ、ミスタープロスペクターなどの内差し血統向き。
・本番…厳しい流れで力を発揮する持続力、長い末脚が強み。ダンスインザダーク、トニービンなどの外差し血統向き。
 今は。
・トライアル…直線だけの瞬発力、もしくはロングスパートの勝負。外差し血統にも出番あり。
・本番…保護された馬場をロスなく立ち回れる器用さ、自在性が必要。アグネスタキオン、フジキセキ、フレンチデピュティなどの内差し血統が有利。

 とか言ってると、オークスやダービーの頃の東京Cコースは外が伸びる馬場になったりするので、単純な決めつけは危険ですが、キャラ的にダンスインザダークやスペシャルウィークの産駒が好きな人間にとっては、なんとも戦いにくい競馬になったものです。武豊騎手がG1で来なくなったのも、このことと無関係ではないでしょう。

 今週はヴィクトリアマイルですが、牝馬戦に強い血統も存在します。そしてそれは内差しのできる血統と重なる部分があります。
 サンデーサイレンス系の主な種牡馬について、牝馬重賞と、それ以外の重賞に分けて、03年以降の勝利数を比べてみましょう。対象はJRAの芝重賞、先週までです。

*「牝馬重賞」と「それ以外の重賞」の勝利数
フジキセキ 7勝 13勝
アグネスタキオン 7勝 12勝
スペシャルウィーク 2勝 7勝
アドマイヤベガ 2勝 5勝
ステイゴールド 2勝 4勝
ダンスインザダーク 1勝 16勝

 牝馬重賞をたくさん勝っているのはフジキセキとアグネスタキオン。反対に差が激しいのはダンスインザダーク。
 牝馬戦は牡馬混合戦ほどペースの緩急がなく、一度流れが落ち着くと、あとは直線の切れ味勝負という展開がよくあります。そのためコース取りに注文のつかない小脚が強みになり、無器用な大脚が武器の血統は勝ち切れない。
 ただし、だからといって牝馬重賞でダンスインザダーク産駒を買ってはいけないという話ではありません。秋華賞2着のレインダンス、桜花賞3着のカタマチボタンなど、ちゃんと馬券になっている。勝利数は1勝でも、2着は3回、3着は7回。そう、牝馬重賞のダンスは3着が多いのです。
 つい先日も福島牝馬Sで1番人気のザレマが3着に敗れましたが、あれがいい例です。エンジンの掛かりが遅い分、ダンスは牝馬重賞だと微妙に足りなくなる。ギリギリ間に合ってヒモに届く、という言い方のほうがポジティヴかも知れません。
 これはステイゴールドなども同様で、ステイゴールド産駒は早くも牝馬重賞の3着が4回あります。ダンスに近いタイプです。

 牝馬重賞でサンデーサイレンス系を買うなら、連軸はアグネスタキオンやフジキセキなどの器用な内差し血統。ヒモ穴にはダンスインザダークやステイゴールドなどの一発外差し血統。これが基本です。

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